能と脳

シンポジウムのお知らせ二つ。どちらも今週末の11月25日(土)に開催される。

まずは、能楽師・観世榮夫氏による「観世榮夫・伝統と現代」シンポジウム。ぼくの本務校、明治学院大学文学部芸術学科が企画主催するものだ。同僚である舞台芸術家・岡本章さんのご尽力によって実現の運びとなった。芸術メディア系列が中心となる最初の一般向け企画である。司会は四方田犬彦さん。場所は明学の白金キャンパス、参加自由、無料です。詳しくはこちらを。

ぼく自身はちょうどその日その時間、別のシンポジウムに参加している。名称が、なんだかすごい。「サイエンス・ブレインストーミング「脳科学と神経神話──科学と社会の健全な関係を探る」」。「サイエンス・アゴラ2006」という、科学と社会との関係を考える大きな催しのなかのひとつである。

科学技術コミュニケーションはいま非常に注目され、じっさい文科省も推進に力を入れている領域だ。この手の問題意識は、うっかりすると「啓蒙」の罠にみずからはまり込んでいく傾向があるのは、メディアリテラシーのばあいとよく似ている。だが、この領域の意義と問題と限界をクリアに見きわめながら、なお熱心に取り組んでいるひとびとが(少数かもしれないが)いるのが心強い。このシンポジウムもそういうひとびとの企画によるもの。科学者はもちろん、教育現場やジャーナリズムで活動しているひとが集まり、議論するらしい。ぼくは編集者時代、「思想としての「科学すること」」を本にしようと目論見、わずかに結実したといえる部分もあるが、全体としてはみごとに挫折した。そのことと、その後にかかわることになったメディア論の立場からのメディアリテラシーの実践的研究とをからめて話をしたいとおもっている。というか、それくらいしか話せないのだが。

登壇者など詳しい内容はこちらのPDFファイルを参照されたい。場所はお台場、日本科学未来館の向かいにある東京国際交流館。入場無料、参加自由だが会場が小さいため定員超過のばあいは入室できないこともありうるとのこと。