大学出版会と大学図書館

すっごく長い名前のシンポジウムに参加してきた。「大学出版会と大学図書館の連携による「新しい学術情報流通の可能性を探る」」。久しぶりに慶應の三田キャンパスに足を踏み入れた。

あいにく別用のため前半しか出られなかったので、後半どんな展開になったかは知らない。前半にかんしていえば、具体的な取組みの事例が聞けたのがよかった。いくつか興味深い点もあった。機会があれば、もう少し詳しく教えていただけるとうれしい。

この手の催しは、90年代の米国ではたくさん開かれていた(それでけっきょく何が得られたかはともかく)。聞けば、日本では初めてのことだという。

手前味噌になるが、ぼくが『出版と知のメディア論』(みすず書房)を出版したのが2003年だから、ようやく現場レベルでこうした試みが行われるようになってきたのだなとおもう。なんにせよ、よいことである。

大学出版会と大学図書館は、同じ大学という制度に根差しているにもかかわらず、利害の対立する面や、成り立ちに根本的な違いがあって、これまで必ずしも相互のつながりが強かったわけではなかった。というか、ほぼ没交渉だった。だから、まずはおたがいの言うことをよく聴くことが大切だろう。陰ながら励ましのメッセージを送らせていただきます。