会議初日。いきなり全人代みたいなしつらえの会場でびっくり。中国の儀式は、何かというとこういうスタイルを好むらしい。
同時通訳がまったく期待できないということが判明した。事前に提出したペーパーを読んでいるのに近い状態である(だったら同通とはいえないとおもうのだけれど)。
じつはぼくは発表の内容を、ペーパーとは少しずらすつもりで、そのようなプレゼンテーションを準備していた。しかしそうしてしまうと、たぶん通訳不能に陥りそうである。発表の内容を急遽変更して、ペーパーの内容に即すように全面的につくりかえなければならない。
追い打ちをかけるようにして、もうひとつ問題がもちあがった。ぼくのMacBookAirをプロジェクタが認識してくれないのだ。近年ではほとんど経験のないことだが、とにかく何をやってもだめ。技術スタッフはただ「メイヨー(できません)」をくりかえすばかり。悪気はなさそうで、そういうふるまいの文化なのだ。中国は、ちょうどちょっと前の日本のビジネス界みたいに、MS植民地化しているようだ。プレゼンテーションといえばパワポ、という前提になっている。用意していったAppleのKeynoteというプレゼンテーションファイルはつかえない。
どうせ中身をつくりかえなければならないのだから、毒を食らわば皿までだ。国際会議なんて、そんなものである。
いったんKeynoteでつくったファイルを、あんまりつかいたくはないWindowsのために、PowerPoint用ファイルに書き出す。とにかく動作することだけを優先して、ギミックはぜんぶ排除。書き出したpptファイルをPowerPointでひらき、こまかい修正を施す。それでも最後に投影用のWindowsパソコンにわたしてしまうと、どうせレイアウトの崩れが生じてしまうのだが。ああ、もう嫌い。MS。
といいつつ、このあたふたぶりは、それなりに愉しい。