福島原発の状況にたいして何ができるか

今回の地震・津波で被災された方々に心からお見舞い申しあげます。

東電管内では14日から計画停電が始まるという。このあたりは第2グループだが、前夜の発表は錯綜していて、わかったのは当日の朝だった。午前と午後とに停電というので、それにあわせて懐中電灯を用意し、長いことつかっていなかったキャンプ用のランタンを出して掃除して準備していたが、けっきょくこの日は第2グループの実施は見送られた。しかし今日15日は、たぶん実施となるのではないか。

鉄道のほうは混乱している。14日は朝から総武線も常磐線も動かないという。《あ》は出勤できず《みの》も休校。小学校は電気がなければ給食の調理ができないということで急遽午前だけで帰宅ということになった。

地震・津波の被害の全容がいまだにつかめないなかで、福島第一原発の状況が刻々シリアスになってきていると報じられている。テレビやネットで報道される内容についていえば、むしろ原発のほうに比重が移ってきているような感さえある。ぼくが見たかぎり英語圏のニュースサイトでも同様だ。

しかし、地震や津波の被害をうけた方々や、福島原発周辺で避難を強いられているひとたちへの救援や支援の重要性が減じたわけではない。勘違いしないようにしたいとおもう。

地震や津波だけでなく、福島原発の状況についても、あれこれと流言まがいの情報が飛びかっている。とくに原発については、首都圏への直接の影響を懸念して不安になる気持ちはわかるが(ぼくにももちろんある)、専門知識をもたない人間が臆測でものをいうのは混乱を助長するばかりである。さいわい専門家の方が、さまざまな情報を提供しておられる。いろいろと勉強になる。

もちろん専門はやたらに細かくわかれている。たんに「理系」というだけではこの問題の専門家とはいえないから、発言者が何の専門家なのかには注意を払っておきたい。

なお、東電の対応を非難するような声もあるようだ。報道で見るかぎり、政府が率先して東電に責任を押しつけようとしている節もあるやに見受けられる。しかし東電を糾弾したいのなら、あとでやればいいとおもう。

原発にせよ計画停電にせよ、現場もほぼ想定外の混乱のなかで最善の努力をしているのだろう。とくに福島原発では、状況から推測するかぎり、現場の関係者は文字どおり命をかけて踏みとどまり作業していると考えざるをえない。いっぽう、ぼくたちには専門知識も専門技能もなく、直接には何の手助けができるわけでもない。福島原発の状況にかんして今ぼくたちにできることは、情報を収集検討しつつも冷静さを失わず、現場のかれらを信じることではないだろうか。