斜里岳に登る 2/3

0420、目が覚める。まだ薄暗かったが、準備しているうちにみるみる明るくなっていく。気温は一桁になる、と昨夕管理人さんから教えられていたが、そのとおりであった。

ガイドブックには、沢歩きルートのためスパッツ必携と書いてあった。忘れずに装着する。

0500前に歩き始める。すぐに古い林道に出て、しばらく歩くと、旧登山口。以前の清岳荘はこのあたりに建っていたとのこと。

 ▲登山口。早朝で薄暗かったためブレブレすまぬ。以下数枚同じ

 ▲林道歩きの終点。奧の左手に旧登山口がある

 ▲ここから山道、沢歩きが始まる

ほどなくして最初の徒渉。ダブルストックなので、川のなかにストックをさし、3点確保の要領で身体を保持して、片方の脚だけを動かして石のうえに載せる、というふうに歩く。

 ▲最初の徒渉箇所。ピンクのテープを目印に、石づたいに渡る

徒渉箇所にはピンクのテープが巻きつけてあるので、ルートはわかりやすい。天候待ちをしたおかげもあり、水量は通常くらいなのではなかろうか、脚が濡れるようなところはなかった。

ただし、ほんのちょっと水量が増しただけで、困難度や危険度は桁外れに高くなるだろうとおもわれた。

とはいえ始終、徒渉箇所があらわれる。ひとつ渡ると、またつぎ、というぐあい。まるで川を縫っているみたいだ。最初のうちは徒渉の数を数えていたが、あまりに多いので、やめてしまった。

谷間の沢をえんえんと詰めていく。ペースはあがらない。視界も開けない。暑くなってきたので、フリースを脱ぐ。

0557下二股。ここで尾根道に出る新道と分岐する。一般的には、登りは沢を行く旧道をとおり、帰路に新道を歩くというので、それにしたがう。まもなく連続して滝があらわれ、それをつぎつぎ越えていく。滝の脇を巻いていくのだが、大きな岩盤が濡れて滑りやすくなっており、ひじょうに歩きにくい。ロープや鎖が渡してある箇所もある。

 ▲八合目の札。何番目の滝だったか、もはや記憶なし

0716 上二股。ここで新道と合流。朝、あとから抜かしていった年配の男性が、新道側からあらわれる。沢は嫌いだから新道を来たという。新道は、しかし距離が長く時間がかかるはずだが、健脚である。

 ▲登ってきたルートをふり返る

さらに沢を詰めていくと、やがて水量が減り、石を踏みしめて登るうちに、あるときフッと、沢音が消える。樹林帯を抜けるころには急登があらわれる。これがきつい。九合目の看板の横には「胸突八丁」という札がさがっている。さいわい急登は長くはなく、まもなく馬の背に出る(0754)。向こう側も谷で、風が吹き上げてくる。

 ▲九合目の札。「胸突八丁」の札もあるが、急登はもうあとわずか

 ▲馬の背。奧にみえるのが山頂

ここから山頂まではもうひと登り。最初のピークを越えると、アルミ製の「斜里岳神社」があった。手をあわせる。

神社から5分ほど登ると、0812山頂に到達した。

 ▲斜里岳神社。誰かが担いできたのだろうか。奧の人影のみえるピークが山頂

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