0420、目が覚める。まだ薄暗かったが、準備しているうちにみるみる明るくなっていく。気温は一桁になる、と昨夕管理人さんから教えられていたが、そのとおりであった。
ガイドブックには、沢歩きルートのためスパッツ必携と書いてあった。忘れずに装着する。
0500前に歩き始める。すぐに古い林道に出て、しばらく歩くと、旧登山口。以前の清岳荘はこのあたりに建っていたとのこと。
ほどなくして最初の徒渉。ダブルストックなので、川のなかにストックをさし、3点確保の要領で身体を保持して、片方の脚だけを動かして石のうえに載せる、というふうに歩く。
徒渉箇所にはピンクのテープが巻きつけてあるので、ルートはわかりやすい。天候待ちをしたおかげもあり、水量は通常くらいなのではなかろうか、脚が濡れるようなところはなかった。
ただし、ほんのちょっと水量が増しただけで、困難度や危険度は桁外れに高くなるだろうとおもわれた。
とはいえ始終、徒渉箇所があらわれる。ひとつ渡ると、またつぎ、というぐあい。まるで川を縫っているみたいだ。最初のうちは徒渉の数を数えていたが、あまりに多いので、やめてしまった。
谷間の沢をえんえんと詰めていく。ペースはあがらない。視界も開けない。暑くなってきたので、フリースを脱ぐ。
0557下二股。ここで尾根道に出る新道と分岐する。一般的には、登りは沢を行く旧道をとおり、帰路に新道を歩くというので、それにしたがう。まもなく連続して滝があらわれ、それをつぎつぎ越えていく。滝の脇を巻いていくのだが、大きな岩盤が濡れて滑りやすくなっており、ひじょうに歩きにくい。ロープや鎖が渡してある箇所もある。
0716 上二股。ここで新道と合流。朝、あとから抜かしていった年配の男性が、新道側からあらわれる。沢は嫌いだから新道を来たという。新道は、しかし距離が長く時間がかかるはずだが、健脚である。
さらに沢を詰めていくと、やがて水量が減り、石を踏みしめて登るうちに、あるときフッと、沢音が消える。樹林帯を抜けるころには急登があらわれる。これがきつい。九合目の看板の横には「胸突八丁」という札がさがっている。さいわい急登は長くはなく、まもなく馬の背に出る(0754)。向こう側も谷で、風が吹き上げてくる。
ここから山頂まではもうひと登り。最初のピークを越えると、アルミ製の「斜里岳神社」があった。手をあわせる。
神社から5分ほど登ると、0812山頂に到達した。
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