お別れの会

明学の白金キャンパスに記念館という木造の旧い建物がある。1890年竣工の歴史的建造物だ。その2階で、今日お別れ会がひらかれた。10月に急逝した4年生の学生をしのぶ集まりだった。

今回の会は、指導教員の先生やゼミの学生たち、共同研究室のスタッフ、そして同期の学生やサークルの友人たち有志が中心になって準備したものだ。

冷たい12月の雨が降るなか、会場に入りきらないほどの学生が集まった。

同学年の学生だけでなく、後輩や卒業生もいた。数名が前に出て話をした。そのあとひとりずつ献花した。最後にご両親が挨拶をされた。気持ちのこもった良い会であった。

ぼくは、いちおう学科を代表する立場として参加させていただいた。

個人的には、系列が違うこともあり、彼女とは必ずしも多くの接点があったのではなかったが、それでもいくつかの出来事が思い出される。

1年生のとき、彼女はぼくの授業をとっていた。ユニークなレポートを書いてくれていた。

印象に残っているのは、2年生と4年生の5月に、新入生歓迎合宿のスタッフとしてしっかり働いてくれたことだった。あまり余計なことはしゃべらず、てきぱきと立ち働いていた。それでいて、いつも穏やかで温かな表情をしていた。

午後からは、彼女がサークル(シネマ研究会)で監督したという作品を見る催しがひらかれた。ぼくも鑑賞した。10分ほどのサスペンス仕立ての作品だった。そのあとも関連する上映が続くということだったが、所用のためそこで退出しなければならなかった。

外へでると、雨はあがっていた。