それから待つこと1時間以上。ようやく入店させてもらえた。なにせ6席しかない。
本日のお昼の最後の客として頼んだのは、ソースカツ丼800円。
写真のとおり、たいへん立派なものであった。「カツの石舞台古墳」とでも言ったらよいだろうか。
お肉はやわらかく、味もおいしい。お店の方の対応もていねいだった。
あいにく分量面においては現在のぼくにはヘビーすぎた。なにしろカツが5枚も載っているのだ。《みの》やうちのゼミ生たちなら、きっと無条件で大喜びだろう。それでもがんばって全部いただきました。
さて、ぶじ目的も達成したし、中禅寺湖畔で二時間も滞在してしまった。すでに14時半をまわっている。これから金精峠を越え、沼田へ抜けて帰ろう。
中禅寺湖畔を走っていると、路肩に停まっていた赤いディフェンダー90を発見した。おお!
戦場ヶ原を走り抜け、奥日光の湯ノ湖をすぎる。正面の白根山や金精山の山肌にはまだ白い筋が残っていた。
金精峠への登りにさしかかった。すると、それまで晴れていたのに、急に小雪が舞いはじめた。
午後3時を前にして、風は身を切るように冷たい。気温はさらに下がっているだろう。出発時に迷いながら冬装備で来て正解だった。グリップヒーターもオンにする。
寒さは装備で堪えることができるが、路面凍結は怖い。カーブであまりバイクを傾けたくない。速度を抑えておそるおそる進む。そんなわけで、この区間の写真はありません。
トンネルを抜けて群馬県側へでると、路肩にはまだけっこうな量の積雪が残っている。丸沼高原では急斜面をスキーが滑っていた。そんな状況もものともせず、というか何というか、アホのようにぶっ飛ばして走り去って行くバイクもいる。大丈夫なのか。
しばらく下ってゆくと、さすがに気温が少しあがってきたのがわかる。路面凍結の心配もなくなり、気持ちが軽くなった。あとはR120をとことこ下ってゆけば沼田である。
このあたり、桜はまだ咲きはじめといったところだった。
さらに下ると、再び晴天が戻ってきた。途中の椎坂峠はトンネル工事中だった。平成25年11月開通予定というから、もうすぐだ。そうなると今の道はどうなるのだろうか。
沼田市内に入り、道の駅白沢でトイレ休憩をした。写真奧のいちばん遠くに見えるのが赤城山だ。
けっきょくこれが最後の休憩となった。ここから市川まで150km。R17へは出ず、利根川をはさんで対岸を走る群馬県道255号を南下。狭小な道で、なかなか良い感じだ。
途中からR353に入って赤城山の南山麓をトラバースする。
赤城山から吹き下ろす風が猛烈に吹く。しかも途中で畑の土を巻きあげてくるから、風は土煙となって、容赦なく吹きつける。全身砂浴びをしたみたいになった。眼下に前橋の市街地がみえるのだが、茶色く煙っていた。すごいわ、群馬。
群県74号経由で上武道路に入る。あとは上尾までR17をすすみ、その後R16→R122→R298で帰ってきた。沼田の道の駅白沢から4時間であった。
総行程の所要時間は12時間、総走行距離は386kmだった。
この項おわり。