和田誠展にいってきた。
http://www.tekona.net/event/detail.php?id=5581
会場は芳澤ガーデンギャラリー。歩いて15分ほどである。
市川には亡くなった作家の井上ひさしさんが長く居住していた。その顕彰の一環として、かれとよくコンビを組んでいた和田さんの展覧会がひらかれた、ということらしい。
井上ひさし関連の芝居のポスターや、連載の挿絵、書籍の装幀が展示されている。ポスターは刷りあがったものだけでなく、版下もあわせて展示されていた。写植文字が貼り込まれた台紙の上にトレーシングペーパーがまかれ、そこに赤鉛筆で色指定が細かくなされている。
ぼくも編集者時代には毎日のように見たものなのだが、しかし考えてみれば、最近は版下なるものをほとんど目にすることもなくなったような気がする。デジタル化がすすんだことも関係しているのかもしれない。
井上ひさし関連の展示は全体の1/3ほど。あとは絵本やポスター、装幀などの作品がならぶ。学生時代やライトパブリシテイ社時代の作品も展示してあった。
多種多様な作品が展示してあり、そのひとつひとつに、多種多様な工夫がみられる。たいへん愉しい展覧会であった。
ただ、これでも和田さんの業績のうちの、ごくごくわずかな一部分でしかない。誰かきちんと和田誠の仕事の全体像をとらえるような研究をしたらいいのに。
会期は6月9日まで。また行きたい。