きれいな夕焼けだね

「きれいな夕焼けだね」。すぐうしろで声がした。

ひさしぶりに川沿いの道を走っていたときのことだ。自転車に乗ったどこかのおじさんがゆっくりとぼくを追い越していった。

その背中に向かって、ぼくも「きれいですね」と返した。

ちょっとだけ何かを信じてもいいかなという気がしないでもなかった。