読書人上半期の収穫2020

今年も「週刊読書人」の読書アンケート「上半期の収穫から」に寄稿させていただきました(2020年7月24日号)。

ぼくの立場はいつもと同じ。メディア論の観点に立ちながらも、狭義の「メディア」に限らずジャンル横断的に人文書の新刊を渉猟し、そのなかからぼくが興味深く読ませていただいた御本をご紹介するというものです。今回はつぎの3点をとりあげました。

古川不可知『「シェルパ」と道の人類学』亜紀書房

亜紀書房 - 「シェルパ」と道の人類学
亜紀書房刊行の書籍の紹介。社会問題を扱う書籍からビジネス書、実用書を発行する出版社。

橋本愛喜『トラックドライバーにも言わせて』新潮新書

『トラックドライバーにも言わせて』 橋本愛喜 | 新潮社
強引な幅寄せ、ノロノロ運転と急ブレーキ、堂々と路駐……公道上でとかく悪者にされるトラック。そのドライバーも「態度が悪い」と批判されがちだが、内情を知れば、複雑な事情が見えてくる。「彼らは底辺職なのか」「休憩中エンジンを切

近藤和都『映画館と観客のメディア論——戦前期日本の「映画を読む/書く」という経験』青弓社

映画館と観客のメディア論 戦前期日本の「映画を読む/書く」という経験 | - 近藤 和都(著)
戦前期日本で「映画館に行く」とはどのような経験だったのか。戦前期の映画館が毎週発行していた広告メディアであるプログラムから、文字と紙を「読み」、投稿や批評を「書く」という実践が観客の映像受容に分かちがたく結び付いていたことを析出する。

それぞれジャンルも性格も異なりますが、どれもとてもよい本です。この夏のみなさんの読書リストに、ぜひ加えてみてください。