メディア論の視座

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アトラクションの日常

ここ数カ月、ほぼかかりきりで執筆していた原稿が、ようやくできあがった。月曜日の朝のことだ。メールに添付して編集の方に提出すると、晴れ晴れとした気持ちになった。 執筆の途上で二度ばかり「あ、これだ」と壁を突き抜けるみたいな感覚を感じた。...
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繁茂する反映論

年末から年始にかけて、ほとんど表に出ることもなく、引きこもっていた。外界との接触は、新聞とネットくらい。だから珍しくよく新聞を読んだ。 そこには、いまの社会を読み解く的な季節ものの記事が溢れていた。その中身たるや、反映論のオンパレード...
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秋葉原の地霊

昨日の続き。 秋葉原無差別殺人事件(と一般にはよばれているのかな)そのものというより、その言説について。この事件について、ぼくは公式に発言したことはない。なんだか誰も彼もが何かを言いたがる。つむじ曲がりとしては、当然そこから距離を置く...
メディア論の視座

10月初めから気管支の腫れに苦しめられていた。ある日学生が来て、そんなに大変なら、うちの弟が喘息のときに飲んで効いた良い薬があるからわけてあげましょうかと言った。気持ちはありがたいが、学生にそこまで言わせるようではいけない。即日、いつも子ど...
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花火

木曜金曜と集中講義で、週末をはさんで月曜まで続く。「講義」といっているが、実質はワークショップだ。芸術メディア系列の教員3名が総出で三日間びっちり張りつく。 学生に与えられるテーマは「なぜ働くのか」。チームごとに議論をして、じぶんたち...
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ハリー・ポッターとは何か

7月23日(水)はハリー・ポッター・シリーズ最終巻の発売日だった。各地の書店では、魔法つかいのとんがり帽子にマントをはおった売り子が登場したらしい。販促なのだろう。わが市川駅前の大杉書店でも、このくそ暑いさなか、初老の男性店主(?)が魔法つ...
Apple

「他者」としてのiPhone

iPhoneの発売日。昨夜は、表参道あたりは行列で大変なことになっていたようだ。「祭り」にご参加のみなさん、おつかれさまでした。 テレビや新聞でもWebサイトでも、この話題で引きも切らない。テレビや新聞のとりあげ方は、どうもちょっとピ...
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コストパフォーマンス思考(下)

だが、一見合理的にみえるこのコストパフォーマンス思考には、陥穽が隠されている。「なにを選んでも、心底満足できな」くなってしまうのだ。この不幸は、リスクをなるべく排除しようとしたことの帰結として到来する。まず、二つのものが失われてしまうと知る...
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コストパフォーマンス思考(上)

ユーザーレビューばやりである。何か観たり聴いたり読んだりしようとするとき、ブログなり店頭のポップなりを参照する。本を読むなら書店員のお薦め、映画ならヤフーのユーザーレビュー、家電製品なら価格comといったぐあいに。 ユーザーレビューは...
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小さなバスの効用

コミュニティ・バスというものに初めて乗った。公共交通機関網の薄い地域に市が走らせている。前に野田市で「豆バス」という、ほんとに屋根上に豆のさやの印を載っけたミニバスを見かけたが、市川ではそういう意匠上の工夫は見られない。ごくありふれ...
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