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野菜と札幌

旅暮らしで困るのが野菜である。摂取の機会がふだんよりずっと減る。基本的に外食ばかりなので、自宅にいるときのような食事内容など望むべくもない。

札幌で泊まっているのはごくベーシックなビジネスホテルだ。朝食も、よくあるビュフェ形式である。ところが、ここは野菜類のおかずが多く出る。ゆでたアスパラガス、ブロッコリー、刻みキャベツ、トマト、ほうれん草のおひたし、おくら、かぼちゃの含め煮、とろろなど。うれしくなって子どもみたいについあれもこれもととってしまい、結果として食べ過ぎて、からだが重くなる始末である。朝から晩まで授業しているといっても、疲労感に釣りあうだけの運動量があるわけではないのだ。

ビジネスホテルとして、ここはちょっと変わっている。ウィークリーマンションみたいなのだ。部屋も設備もやや古びている。ソファには小さな穴があき、ベッドはやたら幅が狭く、バスルームも狭くて、むろんウォシュレットなどついていない。一方で、洗濯機と乾燥機が各部屋に備えつけてあり、無料でいつでもつかえ、ミニキッチンがあって、ヤカンと魔法瓶が常備されている。建売住宅の子ども部屋によくあるような勉強机が据えつけられ、卓上ライトまで備わっている。コンビニやスーパーも至近。すすきのからは離れているが、目の前の駅から地下鉄を利用すればすぐ。その気になれば歩いてだって行けなくもない。でも学生御用達ふうの飲み屋なら、周辺にいくらでもある。

観光客に向くかどうかはわからないが、ぼくはけっこう気分よく過ごしている。北大キャンパスまで歩いて1分だし。──といいつつ、そんな札幌生活も、そろそろ終わりとなる。