ゾウさん基金

動物学者の高槻成紀先生(麻布大学)からご案内をいただいた。スリランカの津波孤児たちが高等教育をうけられるよう支援する「ゾウさん基金」についてである。

高槻先生にお世話になったのは東大情報学環にいたころ、同期の村田麻里子さんが取り組んでいたホスピタル・リーチ・プロジェクトのお手伝いをする機会に恵まれたときのことである。このプロジェクトは、東大総合博物館が東大病院の院内学級へアウトリーチするのを支援するもので、院内学級に何箱もの標本箱を持ち込み、昆虫について講義をしてくださったのが、当時まだ総博にいらした高槻先生だった。

以下に、高槻先生からいただいたメールの抜粋を載せておく。

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思えば3年前の12月、あのスマトラ沖地震が起き、スリランカに大きな災禍をもたらしました。そして多くの津波孤児が生まれたのです。当時、私はスリランカから2人の留学生を受け入れており、自分自身もスリランカで調査をしていましたから、あのスリランカのくったくのない子供たちが孤児になったということを知ってなんとか力になりたいと思い、「ゾウさん基金」を立ち上げたのでした。そして、2005年の1月には多くの皆様から心のこもった支援をいただき、それをスリランカに届けることができました。そしてその後も小規模ではありますが、孤児に支援をしてきました。

2004年からは毎年現地を訪れて、孤児たちに会って励ましてきました。ただ今年はいくつかの事情でそれができませんでした。ただし、孤児の世話をしているドシマンタさんの手紙によれば、みな元気に勉学につとめているようで、近いうちに手紙もらえるとのこと、楽しみにしています。

「ゾウさん基金」は孤児たちが高等教育を受けるまで支援しようとするものなので、息の長い活動になります。人はだれでも当初の情熱を維持するのがむずかしいものですが、私たちは細くても長い支援をしたいと思っています。皆様には、この1年を振り返るこの時期に、さみしさに打ち勝ってがんばっているスリランカの孤児のことを想い、ご支援のご協力をしていただければさいわいです。

津波の状況や基金の経緯については「ゾウさん基金」のウェブサイトをごらんください。
http://www.zousan-kikin.jp/index.html

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