春かぜ

桜が散り、近所の公園の桜祭り週間も店じまい。代わって、海棠が咲く。山吹も咲く。いま庭ではリンゴが花を咲かせている。なんだかんだで4月も半月が経過してしまった。

授業も始まる。わが芸術メディア系列の一期生たちも3年生となり、無事に白金にやってきた。卒業まであと二年──およそ105万分だ──どうか充実した時間としてすごしてほしい。1-2年のあいだはワークショップ形式をとりいれた実践的な授業をおこなってきた。それは、かれらの成長に少しは貢献したかもしれない。これからは、それを土台にゼミ形式で勉強していくつもり。

そんなわけで始めた今年度最初の授業の最中、急にだんだん熱があがってくるのに気づいた。ここしばらくのどが痛くて、あやしい感じはしていたのだが。市川で電車を降りたら完璧に悪寒がする。ふるえがとまらない。帰宅して、ほとんどそのまま布団に入った。すると、そこにはすでに次男が眠っていた。午後4時ごろに急に熱が出たのだという。症状も発症のタイミングもほぼぴったり一致している。気が合うというべきか。とにかく、ダウンするにも道連れがいることになった。

背骨にそって、ぞくぞくと悪寒がする。熱があるのに寒気を感じるのは、どんな生理学的メカニズムなんだろう? などとぼんやり考えていた。眠ったのか眠っていないのかよくわからないまま、夜が明けた。ふたりとも熱は下がらなかった。翌日はそれぞれ学校を休み、一日寝ていた。