映画『ロシュフォールの恋人たち』

ぎっくり以前(B.G.)に観た『ロシュフォールの恋人たち』。不勉強を恥じるべきだが、初見である。

『シェルブールの雨傘』が悲恋ものなら、こちらは黄金期のハリウッド産ミュージカル・コメディのフランチ解釈版。完成度の高さなら圧倒的に前者のほうが高い。本作品は、正直いって失敗作の部類に入れられるべきだろう。

ヴィヴィッドながら陰影があるものの、設定も物語も語り方もさまざまなレベルで破綻している。しかたない、1967年の作品なのだから。

しかし、その破綻ぶりが潔くて屈託がない。なるほど映画におけるミュージカルの真髄を正当に継承しているというべきだろう。その意味で、ミュージカル映画オタクとして個人的には好ましい作品である。

双子役を、カトリーヌ・ドヌーヴとその実姉フランソワーズ・ドルレアックが演じているが、圧倒的に後者がよい。トリュフォー『柔らかい肌』なんかとはちがうテイストである。ダニエル・ダリュウがでていて、うれしくなった。