雪の朝

市川にも雪が降った。

朝、《くんくん》がひとりで起き、着替えて出ていった。めずらしいこともあるものだとおもっていたら、すぐに戻ってきて、「雪ふってるよ!」といった。窓の外をみると、かなりの勢いで白いものが舞っている。いましがた降りはじめたばかりらしい。みるみる積もりはじめた。

《くんくん》は「雪の結晶をみる」といって、最初はてのひらに雪を受けとめていた。しかしそれでは体温ですぐに融けてしまう。

《あ》に黒い布きれをもらって、それをデッキにおいてみた。舞い降りてきた雪片がふわりと布に舞い降りる。目を近づける。「六角形!」と《くんくん》が叫んだ。

一時間もしないうちに西の空が明るくなり、青空がひろがった。積もった雪は、お昼までにほぼ消えてしまった。