マラッカ海峡を見にゆく 3 ──海峡をながめる

JBのラーキンから3時間でマラッカ・セントラルという長距離バス用のバスターミナルに到着した。

「マラッカ」とぼくたちはよぶが、これは英語の “Malacca” だ。マレー語では “Melaka” と綴り「ムラカ」という。セントラルは “central” ではなく”sentral” と綴る。ちなみにタクシーは現地では「テクシー」と発音され(これを耳にするたびに『チキチキマシン猛レース』の虎髭一家を想起してしまうわけだが)、”teksi” と綴る。英語の音をとっているのだろう。日本語のカタカナと同じ発想である。

マラッカ・セントラルから市街まで出るには17番のバスに乗る。詳しいことは「マラッカガイド」というサイトをごらんください。書いてないことはないというくらい、詳しい。たいへん参考になりました。

さて、マラッカ海峡をながめるために、市街の中心部にあるセントポールの丘に登ってみた。

ちょっと遠いが、マラッカ海峡が見えた。

写真左側に見える白い塔はマラッカタワーだ。写真にはうつっていないが、円盤状の展望台が回転しながら上昇してゆくというアトラクションである。

丘の上のセントポール教会は、ザビエルの遺骸を一時保管していたという教会だという。像がたっているが、教会はいまは廃墟。イエズス会はカトリックだからかもしれない。

ムスリムの母娘に「ヤポン?」と声をかけられた。娘さんのケータイで写真を撮ってあげた。ぼくのNEX7でも一枚。

日本人の団体さんもやってきた。老若男女20名くらいいただろうか。写真は、現地の日本語ガイド氏が、背を向けてコインを投げるといいことがありますよ的な、観光地用のテキトーなお話をしているところ。世界中の観光地で採話して比較したら興味深いかもしれない。

セントポールの丘は、なかなか気持ちのよい場所だった。猫もたくさんいたし、木の根元に坐ったおじさんが海をながめていたりした。

マラッカ海峡を近くで見るために、マラッカ川の河口までいってみた。川沿いはウッドデッキでこぎれいにしてあったが、ところどころ腐っていた。このあたりは町外れでやや荒廃した雰囲気だった。これ以上海へは近寄れず。

これはHatten Hotelの部屋からながめたマラッカ海峡だ。なかなかの一望的眺望である。

正面に見える島は、埋め立てによってつくられた人工島だという。報道によれば、あそこに世界で13番目の高さになる観覧車を建設する予定なのだとか。

正面の海岸は埋め立て工事中だった。あれが完成すれば、そこに高層ホテルがたつかもしれない。そうなれば、このホテルからのこの眺望もきかなくなるだろう。

このホテルも含めて、マラッカ市街はこの手の高層建造物がいくつも建ち並び、まさに「発展」中だった。先述のセントポールの丘からの眺望さえも、これらの高層建造物によってかなり遮られていた。よけいなおせっかいだとはおもうのだが、観光地としてちょっと先行きが案じられる気がした。

夕方に、またセントポールの丘へ登り、夕景をながめた。雲が多かったが、まあよしとしよう、という感じであった。この時間帯は蚊が多数出没した。ぼこぼこに刺されながら、シャッターを押した。

つづく。

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