残念であった。サッカーW杯コートジボワール戦。
ぼくはまったくの素人なので見当外れなのかもしれないが、日本代表の選手たちの大半は、最後まで萎縮したままであったように見うけられた。W杯本戦のプレッシャーに押しつぶされてしまったのか、会場の雰囲気に呑まれてしまったのか。
いざ勝負という場面で、ふだんどおりの実力を出すことは、きわめて困難なことである。それでも実力を出すことができなければ、勝利を手にすることはできない。おそらく誰よりも悔しいのは、この試合で実力をまったく発揮することのできなかった現場の選手たちであろう。
NHKの中継の解説者・岡田武史前監督は、番組の最後に、こんな意味のことを述べた。起きてしまった出来事はすべて起きるべく理由があるのだと、わたし(岡田氏)は考えることにしている。今回の敗戦は、ひとつの試練であり、じぶんたちが試されているのだ。選手たちはみずからそれを乗り越えていかなければならない──。
岡田前監督のこの言葉からは、ふしぎな凄みが滲み出ている。日本のサッカー人としては比類なき修羅場をくぐってきた経験の持主であるがゆえであろう。
岡田前監督の言うとおりなのだとすれば、試されているのは選手だけではない。応援しているぼくたちもまた試されている。
次戦では、ぜひ悔いのないたたかいを。