15年目の薪ストーブ

わが家の薪ストーブは15年目のシーズンを迎えている。

SCANというデンマークのメーカーのCI-8GL CBという機種だ。カタログ上のスペックでは定格出力7.0KW (6020kcal)、最大出力9.0 (7740kcal)で、暖房面積25-140m2となっている。わが家のばあい、2階のリビングに設置してある。ロフトを含めた空間を暖めるのにちょうどいい。トッププレートにヤカンをおけばお湯が沸く。煮物も得意だ。

シンプルなつくりの薪ストーブで、ここまでの15年間トラブルらしいトラブルもない。炉内の耐火レンガみたいなものにクラックが入って交換したのが一回、ガスケットを交換したのが二回。それくらいである。毎シーズン後に手入れしているおかげか、鋳鉄の本体に錆なども浮いておらず、見たところ傷んだ箇所はほとんどない。もちろん稼働ぶりは新品のときと変わらない。

聞くところによると、使いはじめて数年で壊れたり、大きな修理が必要になるケースもあるらしい。なかには10年もたたないうちに買い替えてしまうこともあるという。それを考えると、わが家のばあいは、機種選定がよかったのか使い方に無理がないのか、なんにせよ故障知らずなのはありがたい話である。

15回の冬、わが家を暖めつづけてくれたわが薪ストーブは、これから先さらに15年くらいは焚きつづけられそうだ。そして、そのくらいは使っていきたいとおもう。使い込むほど馴染むのが良い道具である。数年で買い換えるものは、道具とは呼ばない。

ひとつ気がかりなのは、パーツの供給がどこまでもつのかということ。それなりに人気のある機種だったはずだが、いつのまにか製造中止になっていたからだ。現在のSCANの製品ラインナップを見ると、薪ストーブのおしゃれアイテム化に乗ろうとしているようにも見える。質実剛健路線で生きているぼくの好みからは遠ざかりつつあるようだ。

そんなわけで、CI-8GL CBをまだまだ使いつづけるために、パーツだけでもいまのうちに確保しておくべきなのか、思案している。愛車ディフェンダーも似たような状態だ。どうも世の流れはぼくの好みとは逆行しているようにおもわれてならない。せめてじぶんの身の回りだけでも、居心地をよくしておきたいとおもう。

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