〔仮設の映画館〕想田和弘監督の新作『精神0』デジタル配信

ドキュメンタリー映画作家・想田和弘さんの最新作『精神0』は、5月2日から公開予定だ。しかしCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大にかんする緊急事態宣言の発令によって再考を余儀なくされた。打開策として考え出されのが、〔仮設の映画館〕と名づけられた試みだ。

映画『精神0』公式サイト
想田和弘監督最新作 観察映画第9弾/82歳。精&#31...
仮設の映画館『精神0』
期間限定で「仮設の映画館」での『精神0』...

〔仮設の映画館〕は、映画館をとおした映画のデジタル配信である。この試みの重要な点は、通常のネット配信と異なり、映画館にもおかねが分配されることだ。

緊急事態宣言の発令された現在、東京都内のすべての映画館が閉鎖を余儀なくされている。都内のすべての映画館が閉鎖というのは、おそらく戦争中にもなかったことだ。

映画館をはじめ休業要請対象の施設はどこも塗炭の苦しみを味わっている。国は、休業を要請するのに補償する気は毛頭なく、都はわずかな協力金をだすものの、運営には焼け石に水。映画館のなかでも、とくにマイナーな輸入映画や古い作品、ドキュメンタリー映画をあつかうようなところの苦境は並大抵ではない。

このことは、映画を共同的に観るという行為を可能にしてきた場を失うかもしれない岐路に、ぼくたちはいま立っているということでもある。それは失うにはあまりに惜しい場だと感じるひとは、ぼくだけではあるまい。

あちこちで映画館支援のさまざまな動きがある。そのなかで、想田さんと配給会社・東風による〔仮設の映画館〕は、映画館へ物理的に身を運ぶことができない状況のなかで、いかに映画を観客に届ける持続可能なしくみがありうるかという問いにたいする、ひとつの挑戦だといえる。同時にこの試みは、映画とは何なのかという問いをあらためて突きつけてもくる。

以下は合同会社・東風による告知の転載。

===
5月2日(土)より劇場公開予定であった想田和弘監督『精神0』。現在の状況を鑑み、劇場公開と並行して〔仮設の映画館〕にてデジタル配信を行うことにいたしました。当初皮切り予定であったシアター・イメージフォーラムの5月2日(土)より全国一斉配信となります。劇場公開の時期は状況に応じて各映画館が判断いたします。〔仮設の映画館〕のWEBサイトに『精神0』の公開予定の全国各地の劇場一覧を掲載します。お近くの、観に行きたい、映画館を選択し、そこで作品をご覧いただきます。
 
公開終了後などに行われる一般的な配信とは異なり、配信でご覧になるのに支払った料金は、ご覧の映画館にも分配される仕組みです。これは、新型コロナウイルスの脅威によって停滞している「映画の経済」を回復させるための試みの一つです。そして、この認識と方法とを全国の劇場、配給会社、製作者、そして映画ファンのみなさんと広く共有することによってはじめて「仮設の映画館」は、持続可能な施策となり、ともにこの非常事態を乗り切ることができる。そのように考えています。

〔仮設の映画館〕WEBサイト コンセプトや想田監督メッセージを掲載

仮設の映画館『精神0』
期間限定で「仮設の映画館」での『精神0』...

下記のような記事も出ております。よろしければご覧ください。

▶毎日新聞「映画配給会社がネットに「仮設の映画館」開館へ 想田和弘監督の新作「精神0」を配信」

映画配給会社がネットに「仮設の映画館」開館へ 想田和弘監督の新作「精神0」を配信 - 毎日新聞
 映画配給会社の東風(東京都新宿区)は、5月2日から劇場公開予定だった自社配給作「精神0」(想田和弘監督、2019年)をインターネット上の「仮設の映画館」でも有料配信することを決めた。東風は「新型コロナウイルスの脅威によって停滞している『映画の経済』を回復させるための試みの一つ」と説明し、利用を呼び

▶シネマトゥデイ「デジタル鑑賞料を映画館と分配「仮設の映画館」で想田和弘監督『精神0』上映」

デジタル鑑賞料を映画館と分配「仮設の映画館」で想田和弘監督『精神0』上映 - シネマトゥデイ
8日、映像作家の想田和弘監督と映画配給会社の東風は、新作ドキュメンタリー『精神0』について、劇場公開予定だった5月2日から、現在の状況を鑑みて開設した「仮設の映画館」にて、劇場公開と並行して有料デジタル配信すると発表した。

▶ハフィントンポスト「ネット上に「仮設の映画館」開設、5月に上映へ 新型コロナで苦境の映画館支える」

ネット上に「仮設の映画館」開設、5月に上映へ 新型コロナで苦境の映画館支える
ドキュメンタリー作品『精神0』の公開を5月2日に控える想田和弘監督は、インターネットでの作品公開を決めた。
タイトルとURLをコピーしました