メディア論の視座

アトラクションの日常

ここ数カ月、ほぼかかりきりで執筆していた原稿が、ようやくできあがった。月曜日の朝のことだ。メールに添付して編集の方に提出すると、晴れ晴れとした気持ちになった。 執筆の途上で二度ばかり「あ、これだ」と壁を突き抜けるみたいな感覚を感じた。...
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映画『ロシュフォールの恋人たち』

ぎっくり以前(B.G.)に観た『ロシュフォールの恋人たち』。不勉強を恥じるべきだが、初見である。 『シェルブールの雨傘』が悲恋ものなら、こちらは黄金期のハリウッド産ミュージカル・コメディのフランチ解釈版。完成度の高さなら圧倒的に前者の...
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トロリー・ソング

先週来、ぎっくり腰である。 2月の中旬は毎年必ず体調を崩すのだが、今年は大丈夫そうだ、と油断したのがいけなかったのかもしれない。ある日どうも椅子の姿勢があわないなとおもっていたら、翌朝には腰が伸びなくなっていた。 さいわい今回は...
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映画『シェルブールの雨傘』

1964年の名作。スクリーンで観たかった作品のひとつである。デジタル修正を施した版が公開されるというので、入試業務のあいまをみて、さっそくシネセゾンへ出かけていった。 「デジタルリマスター版」なるものが、具体的にどんな処理がなされたも...
エッセイ

遠来の客人

雨降りの夕方、《あ》によばれて庭に出た。林檎の木の根元、ローズマリーの葉の陰に、雨粒を避けるようにして、小鳥がうずくまっていた。全体が茶色で、おなかのあたりに白っぽい斑が入っている。小鳥は卵をかかえているみたいな恰好でじっとして、目だけくり...
エッセイ

聖地巡礼

山下達郎コンサートに行ってきた。コンサートがあれば必ず行くと決めており、じじつこの30年近く、そうしてきた。今回もおなじ。聖地巡礼みたいなものだ。この日ばかりは《あ》と一緒である。 6年ぶりのツアー。直接のきっかけは、大阪フェスティバ...
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映画『マンマ・ミーア!』

初日に観た。ここ数年のハリウッド産ミュージカル映画は、良し悪しはともかくとして、比較的緊密に構築された作品が多かった。本作品はその対極、もうゆるゆるである。 ほとんど舞台そのまま。素朴な手づくり感覚というか、とっても素人っぽい。つくっ...
エッセイ

格差と分断

「格差」という嫌な言葉をめぐる昨今の言説で、もっともマズイとおもうのは、非正規雇用と正規雇用という二項対立の図式をみずからつくって、前者が後者を、あるいは後者が前者を叩くことだ。 最初のケースは「被害者」意識によって、あとのケースは現...
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映画『ザ・ムーン』

アポロ計画をふりかえるドキュメンタリー。同時に、本作品の提供者であるロン・ハワードが監督した『アポロ13』(1995)が、史実にもとづいた劇映画としていかによくできていたかをも教えてれる。 1961年のケネディの演説から始まり...
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ユリイカ

ひさしぶり。特集のなかの一篇なのだけれど、自由に書かせていただきました。
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