ドアをあけると、見慣れた顔があった。この春に卒業したばかりのゼミのOGがふたり、そこに立っていた。ちょっと顔をだしてみました、という。
ひとりは、長野でつづいていた研修があけたところだといった。新しい任地である会津へ、明日には移動するのだそうだ。
もうひとりは、初仕事が形になったのだという。そうして手わたしてくれたのが、これ、『るるぶ茨城版』だ。書店で見かけたら、ちらとでも目を通してやってくださるとさいわいです。
ふたりとも、変わらずに元気そうであり、また少しだけ大人びた表情になっていた。
いまの世の中は、生温くて狭量で息苦しく、なにかと生きにくい。そんななかでも、これからも背筋を伸ばして胸を張り、歩いていってほしいとおもう。