メールを送ったのに連絡がないのだが……と、発信者から別のルート経由で訊ねられた。
そんなメールを見た記憶はないなあ、行方不明か。ということは……あわてて迷惑メールフォルダを探しまわると、はたして、当該メールはそこに静かに埋もれていた。
迷惑メールを「スパム」とよぶ感覚は、なんとも興味深いものではあるが、それはともかく、これを判定するフィルタの性能は、Gmailの登場以降、目に見えて向上した。使い始めてしばらくのあいだこそ誤作動も多いが、学習機能の実用性が高まったため、一定期間つかっているうちに、さほど問題なく動作するようになる。
それでも誤って大事なメールがまぎれこむことはある。だから、ときどき手動でチェックしている。しかし9月から10月にかけてバタバタしていたので、見落としていたのだろう。一日に襲来するスパムは、けっこうな量になるのだ。
システムは便利なものだが、それゆえに足許をすくわれる。なにせそのことにかんして本まで書いているのだから、その常道について知らないわけでもない。だがそれでもこうなってしまうのだから、心のどこかに、「スパムフィルタもだいぶ賢くなったわい」という油断が巣くっていたのにちがいない。
念のために、迷惑メールフォルダをあらためて全部確認してみた。するとやはり、返事の必要なメールを数通発見、サルベージした。
というわけで、ご関係各位にたいし、この場を借りてお詫び申しあげます。