いつも市川の丘の上からながめている東京スカイツリー。その工事現場を見てきた。先週の月曜日(12月7日)のことだ。
現場は、京成押上駅から地上に出てすぐ横、東武伊勢崎線と、名前を知らない小さな川にはさまれたところにある。川の対岸からだと正面にスカイツリーをとらえることができる。「現在のタワーの高さ231m」との看板が掲げられていた。山登りでいえば四合目のちょい手前。最終的にはこの三倍ちかくにまで伸びるわけだ。
半世紀以上前の東京タワー建設は、当時の技術水準からして相当の難工事だったという。その東京タワーは、高度成長する日本の中心として、テレビを典型とするマスメディアによって媒介される20世紀的な国民文化のシンボルとして機能してきた。東京スカイツリーにも同じようなことを期待する向きもあるだろうが、おそらくそうはなるまい。もはやそういう時代ではないからだ。
高度に発達した建設技術にまかせて天を突かんとするこの鐘楼には、21世紀においてどんな文化的役割が与えられるのか。